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野次馬エンジニア道

野次馬な気持ちでプログラミングをあれこれと綴ります

ビジネス関連の読書メモ (3) - CRM

読書

4冊目。CRMの基本

O2O関連の書籍*1を読んでからモバイルアプリを使ったCRM(顧客関係管理:Customer Relationship Management)に興味があったので下記を読んでみた。

この1冊ですべてわかる CRMの基本

この1冊ですべてわかる CRMの基本

文章量は多くなく、箇条書きのプレゼンの資料を見ているような感覚で読める。

CRMの捉え方は、

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P27

「売上の内訳を顧客別に識別し、識別した有料顧客を維持・育成・獲得していくことによって、経費効率を上げていくこと」

効率を上げるために、会員登録や購入時に属性情報の付与を通して顧客を識別し

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P52

お客様すべてに対する平等の取り組みからの脱却

をすることが必要。

一般に上位2割の顧客の購入総額が売上の8割を占めるというパレートの法則に従う(ECの場合は3割のケースも)ことが多いので、上位の「優良」な顧客をいかにして維持するか。

本書では顧客(構造)を識別する代表的な手法として下記の4つを取り上げている

  • デシル分析
    • 10等分して売上構成比を見る(短期間)。
  • デシル移動分析
    • デシル分析の結果から上位から下位にランクダウン(移動)した顧客を見る。
  • 顧客離反率分析
    • 前年度の購入顧客のうち、今年度購入実績がない顧客の割合
      • 逆数が平均の顧客寿命
  • RFM分析 - 下記の組み合わせを分割表・ヒストグラムにしてセグメンテーション
    • Recency - 最新購入日
    • Frequency - 累計購入回数
    • Monetary - 累計購入金額

業種によるが、例えばRFM分析の場合、

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P98

(1) 3つの指標の評価基準をどう設定するか

(2) プラスαの評価基準をどのように設定するか?

  • 各業界(ビジネス)にふさわしい評価基準とその基準は何か?どう設定するか?

が必要。プラスαの例としては、企業独自の戦略やブランドへの共感や共鳴などの例を挙げている。

優良な顧客を定義した後は、多様な顧客接点を一元管理し顧客満足へとつなげる流れ。

もちろんO2Oにも紙面を割いている。

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P113-115

O2Oとは、Online to Offlineの略で、「WEB(オンライン)上で得た情報をもとに実店舗(オフライン)に行き、商品・サービスを購入する消費行動」を意味します。(中略)O2Oは集客を目的とした使われ方がメインですが、そうして実際に来店した顧客をどのように深化させていくのかも、同時に考えていく必要がある。

モバイルアプリが出揃った後は、この辺りが競争になるのかもしれない。

これからのCRMの戦略として

を紹介している。

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P186

シャーリーン・リーとジョシュ・バーノフは、その著書『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』(翔泳社)の中で、(中略)5つの戦略的を代表的なアプローチとして提唱しました。(中略)

  • 傾聴戦略(Listening) : ソーシャルメディア上の顧客の会話を分析する

  • 会話戦略(Talking) : 顧客間の会話に参加しインタラクション(双方的なコミュニケーションのやりとり)を展開する

  • 活性化戦略(Energizing) : 熱心な顧客を応援して他の顧客の購買行動を促す

  • 支援戦略(Supporting) : 顧客同士の助け合いを支援する

  • 総合戦略(Embracing) : 顧客のアイデアをビジネスに組み込む

の整理の仕方もわかりやすい。一方のビックデータの方は、

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P210

数多くのデータを連携させて、「1人の顧客」に紐付けていくところから生まれるCRMが基本になります。それ以外の場合は、「ビックデータ」という言葉は使われなくなり、ブームは廃れていくでしょう。

としている。ビックデータは、特有のデータの多様性や生成スピードに起因する課題があるものの、より精緻な1顧客1IDを実現させることで、CRMをより深化させるものとしている。

全体の感想として、既存のCRMに関連する手法や背景となる考え方を丁寧に説明している印象を持った*2

坂本雅志「この1冊ですべてわかる CRMの基本」P40

オウンドメディアのプラットフォーム上の会員基盤およびプロモーション力に基づく送客力こそが、消費財メーカーの新しい競争力になるのです。

この辺りにも興味があるが、エンジニアリングからは遠ざかるので、もう少しシステムの構築例などを知った方が面白いかもしれない。

*1:松浦由美子氏の「O2O、ビッグデータでお客を呼び込め! :ネットとリアル店舗連携の最前線 (平凡社新書)」や「O2O 新・消費革命

*2:データの分析の章で決定木や判別分析、クラスター分析も紹介している